1.Cima di rapa-チーマ・ディ・ラーパってどんな野菜なの?? 秋冬を代表するアブラナ科のイタリア野菜です。 “チーマ・ディ・ラーパ”というのはイタリア語で、英語では“ターニップ・トップ”、日本語にすると、“カブの先っぽ、先端”というような意味合いです。 今ではイタリア全土で栽培されていますが、特に南部・プーリア州で古くから栽培され、その地域の人々に親しまれ、料理されてきた野菜です。 チーマ・ディ・ラーパを使ったプーリア州のパスタ料理-“Orecchiette alle cime di rapa“はあまりにも有名で、この野菜を使った代表料理になっています。 この野菜の主産地であるイタリア南部・プーリア州(イタリアの地図でブーツ型のかかと部分)の地域は、12月-2月が一年で最も寒い冬の時期とされ、平均気温9-10℃、最低気温5℃-最高気温12℃の温暖な冬の気候です。 夏の終わりにこの種を撒いて、霜や雪にさほど当たることなく、秋10月~冬2月まで、品種を違えて収穫が長期間に渡り続きます。 チーマ・ディ・ラーパの品種に関して、イタリア北部地方の種苗会社では、通常4品種程度の扱いですが、プーリア州周辺地域の種苗会社からは、10品種以上の扱いがあります。 それだけ、イタリア南部での、この野菜に対する強いこだわりが感じとれます。 品種の違いによって、生育日数や花蕾の大きさが異なります。 カブに似た葉や茎を食用にします。 花蕾も食用にします。花蕾の大小は、品種によりさまざまで、大きな花蕾はブロッコリーに似たものから、小さな花蕾は菜の花に似たものまであります。 カブは通常、地下部にできる根っこ部分を食用にしますが、チーマ・ディ・ラーパの品種の中にも、花蕾の他に、根部を食用にする品種も存在します。
2.品種を知ろう 品番クリックで商品ページへ この図から、 生育日数の短い早生品種は、株丈、花蕾ともに小さい 生育日数の長い晩生品種は、株丈、花蕾ともに大きい ということが判ります。
3.どのような収穫を希望しますか?-品種と栽培スケジュールが決定- ここでは3つの観点から、栽培スケジュールを考えてみました。 ①大きい花蕾を収穫してみたい ②長期間、大きい花蕾を継続的に収穫したい ③花蕾の大小に関わらず、できるだけ長期間、継続的に収穫したい
品種を違え、種まき時期をずらすことで、晩秋から毎日のようにこのチーマ・ディ・ラーパが食べられるようになります!
4.栽培してみよう カブと同様に生育が比較的早く、栽培は難しくありません。 ●種子 同じアブラナ科のカブのタネに非常に良く似た形状の種子です。 発芽土壌温度は20-25℃が理想的です。 ●栽培のポイント ◎肥沃な土壌での栽培 タネまき2週間ほど前には、苦土石灰と堆肥を畑全体に散布し、十分に耕しておきます。 ◎害虫対策 アブラムシ、アオムシ、コナガなどが発生します。見つけたら直ちに捕殺するようにします。 ◎適度な水やり 秋からは湿度が低く乾燥した気候になってきます。土壌が乾きすぎると、みずみずしい葉・茎・花蕾の収穫ができません。乾燥した日が続く時には、たっぷりと水やりします。 ●種まき 生育が比較的早いため移植はせず、直まきで栽培します。 保水性、排水性に富んだ、日当たりの良い、肥沃な土壌が適します。 条間30cmとし、種まき前に土壌を十分耕し、有機肥料を漉き込んでおきます。 タネは、深さ1-2cm、2-4cm間隔の点まき、もしくは種が重ならないようにうっすらと筋まきで撒いていきます。 タネまき後は、種子を流さぬよう丁寧にたっぷり水やりをし、発芽までは乾燥に注意します。 タネまきから5-8日で発芽してきます。 ●栽培 発芽が出揃って1週間ほど経ったら、間引きを行い、株間15-20cmにします。 早生品種は小ぶりなため、株間を狭めに、晩生品種は大きくなるので、株間を広めにとるよう心がけます。 栽培期間中は、株間の除草と中耕・株元へ土寄せをこまめにすると、良い収穫に繋がります。 ●収穫 花茎が15cmくらいに伸びてきたら、花が咲く前の蕾が固いうちに収穫していきます。側枝からも次々に蕾が付いて、毎日収穫できるようになります 定期的に追肥をすることで、収穫が長く続けられます。
5.食べてみよう チコリーやエスプレッソコーヒーもそうですが、このチーマ・ディ・ラーパも、イタリア人の好きなほろ苦みの中に、ほのかな甘みのある野菜です。そうは言ってもその苦みは控えめなので、苦みが得意でない人や子供でもペロリと食べられます。 また、栄養価が高いスーパーグリーンとしても脚光を浴びています。 じっくり炒めて蒸し煮することで、しんなりして量が減るので、大量の食物繊維やカルシウムなどのミネラル、ビタミンが接種できます。 南イタリアのお惣菜屋さんでは、こんな『チーマ・ディ・ラーパ”のクタクタ煮』がよく売られています。オリーブオイル、ニンニク、塩のシンプルな味付けで、毎日食べても飽きない、とろみがあるのでペロリとたくさんの量を食べられます。 【ナポリに行くと毎日食べています】 基本は、オリーブオイル、ニンニク、塩で調理します。 炒め物でサイドディッシュに、パスタ、リゾットなどに使います。 ◆王道★チーマ・ディ・ラーパのオレキエッテ https://www.lacucinaitaliana.it/ricetta/primi/orecchiette-alle-cime-di-rapa/
- チーマ・ディ・ラーパの葉・茎・花蕾を適当な大きさにカットする。
- 沸騰したお湯に塩を入れ、1のチーマ・ディ・ラーパを5分茹でる。そこに、オレキエッテパスタを加え、アルデンテになるまで一緒に茹でる(約6分間)。
- フライパンにたっぷりめのオリーブオイルを入れて弱火にかけ、細かく刻んだアンチョビと潰してみじん切りにしたニンニクをじっくり5分ほど炒めて香りを立たせる。
- 2の茹でたチーマ・ディ・ラーパとパスタの水を切り、3のフライパンに投入して炒め合わせる。塩、コショウで味付けする。
- 仕上げにお好みでリコッタ・デュラ・ディ・ペコラなどのチーズを振りかける。
◆ラクチン常備菜!サイドディッシュに-チーマ・ディ・ラーパの蒸し煮 https://www.saveur.com/slow-cooked-broccoli-rabe-recipe
- 厚手の鍋にたっぷりめのオリーブオイルを入れ、潰したニンニク、唐辛子を炒めて香りを立たせる。
- 適当な大きさにカットしたチーマ・ディ・ラーパを入れ、さっと炒め、水を加えて、蓋をして蒸し煮する。チーマ・ディ・ラーパがクタクタになるまで、弱めの中火でじっくり長い時間蒸す。
- 蒸している間に、ニンニクを薄切りし、オリーブオイルで揚げてガーリックチップスを作る。
- 2を皿に盛り付け、3のガーリックチップスをトッピングしてできあがり!
◆チーマ・ディ・ラーパのリゾット https://www.lacucinaitaliana.it/ricetta/primi/riso-con-cime-di-rapa-e-stracciatella/
- チーマ・ディ・ラーパを適当な大きさにカットし、沸騰して塩を入れたお湯で約5分間茹でる。
- 1をザルに上げて、水気をしっかりと絞る。
- やや深めの厚手のホウロウ鍋などにオリーブオイルを入れ、みじん切りにしたエシャロット(ニンニクでもいい)、少量の唐辛子を入れて、約3分間じっくり炒めて香りを立たせる。
- 3に無洗米(洗わず乾燥した状態のまま)を投入し、約2分間炒める
- 4に水をたっぷり加えて、塩を入れ、約15分間煮る。この間、適宜水を足して調節する。
- 米がちょうどいい硬さになったら、2のチーマ・ディ・ラーパ、バター、チーズを入れて味を調える。
- 仕上げに、アンチョビ、茹でたチーマ・ディ・ラーパの花蕾部分を見栄え良く散らし、黒コショウ、赤唐辛子を振りかける。
ここに記載のレシピは、海外のサイトで掲載されたものを簡潔に記しています。 画像はすべてオリジナル記事によるものです。
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